08.06会報
お土産いっぱいの鷲ヶ頭山 例会山行
福原 不二雄
平成20年4月20日、鷲ヶ頭山例会山行は前日までの雨も上がり快晴の天気に恵まれ、ワラビ狩りを堪能した山行でした。3年前の山火事の跡は年毎に植林地域が拡大され、森林復活にかける島民の熱意が感じられます。登山道周辺に黒々と林立する木々もその根元には、ひこばえが芽吹き、たくましくワラビや草花も芽を出しています。一本見つければその周辺には何本ものワラビが生えている。それではついでにいただきますと手が出て休まる暇がありません。時間もあり急ぐこともないしワラビの誘惑にはかないません。登りはワラビ狩りに徹することにしました。
他にも臨時の植物観察グループもでき、色とりどりの花や草の名前を学習していました。また地図の勉強するグループもありました。「現在地はどこかな、高度計では○○m、この谷、あの尾根の地形から考えると現在地はここです。はい正解!良くできました。」
皆かなり上達しました。生徒から先生への脱皮する日もまもなくです。
今日の参加者は22名です。3人の方にサブリーダー(S.L)をお願いしました。
先頭のSLは地元出身、大先輩の越智修三氏、島の歴史や生活、子供のころの遊んだ思い出等々を話されました。中間のSLは元気な若手の橋本博明氏、急坂にあえぐ高齢者のザックを持ちしっかりサポートしてくれました。最後尾は同輩の佐藤律夫氏、ワラビ狩りに夢中で方々に散らばる仲間をしっかり監視、地図読みに熱中し遅々として進まぬ仲間にも嫌な顔をせず、じっと耐えにこやかに見守ってくれ見事最後尾の役目を果たしてくれました。こうなるとチーフリーダーの私の仕事はありません。ワラビ取り、植物観察、地図の手伝い等蝶のごとく会員の中を飛び回っていました。
両手いっぱいのワラビはザックに収め、帰路は鎌や鋸を手に入日の滝への下山道の整備に専念していただきました。入日の滝への入り口は木々が伐採され様相が一変していました。近日中に道標を設置しようと思います。下山道は山火事のため裸地となり、もろい岩交じりの下り道は滑りやすい。電柱に沿い稜線を下る。
下部の入日の滝周辺の樹林帯や藪は私が今年の正月伐採、整備していたので快適に歩けました。
大半の会員が入日の滝に着き休憩していると、最後尾の会員から「高齢の会員が転倒したのでサポートするよう」要請が携帯電話に入った。「しまった」。一瞬後悔の念が沸く。入口の急坂を下る高齢者の方の足元の危ういことは見て知っていたのだから危険箇所には用意してきた残置用ロープを張って安全を確保すべきであった。
後の祭りである。直ちに背負って下りる支度をして6人の男性会員と救援に向かう。他の会員は予定通り先に進むよう指示する。滝上の岩場で合流、幸い怪我はなく自力で下山されていたが足元が悪いので橋本SLが寄添い、腰のベルトをつかみ支えて下山してくれました。
救助隊(?)が下山すると意外にもお堂の前でみんなが待っていてくれて、温かい大きな拍手で迎えてくれました。このお堂を管理している老婦人と1年ぶりの再会を果たし、暖かいお茶やお菓子の接待を受けみんなの疲れも吹き飛んだようです。高齢者の会員はみんなに迷惑をかけたとしきりに恐縮しておられたが仲間ですから少しも気にすることはありません。時間も余裕があるし、歩行速度が遅く支障があればコース変更をすればよいのですから。
橋本SLは最後まで寄添いサポートしてくれました。助けてあげているという気負いを少しも感じさせない有様に私は嬉しかった。多分みんなも同じ思いではなかったでしょうか。
「若手もいずれと年を取る。その時してほしいことを今している」 私にはそのように感じられました。
越智SLからは真心込めて作られた沢山の八朔を土産にいただきました。
ワラビと八朔、それに仲間の温かい思いをザックいっぱいに持ち帰った鷲ヶ頭山例会山行でした。
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